次の思案は、私の単なる邪推かもしれませんが。
選挙のPRのスローガンが、「立候補しよう」でなく「投票所に行こう」なのは、
元を辿るとそれが、政治家から発せられるスローガンだからなのではないかと思います。
一人の人間が一票を投じたところで、世の中はほとんど変わらないのです。
政治家のモチベーションがほんの少し上がるか、自分の考えの一部がほんの少し反映されるか、
それだけです。
そういう、一人一人の意識が大切なんだ、と訴える方もいるようですが、
本当に世の中を変えたいのであれば、そんなしょぼいアプローチよりも、
立候補の方がはるかに効率的かつ現実的な解のはずです。
たとえ受からずとも、自分の声はより多くの人に届くはずです。
選挙に行く事が大人としての良識であるかのように訴えるPRは、
政治家が票集めのために発しているぷろぱがんだなのではないか、と私は思ってしまうのです。


タマちゃん。
一時期お茶の間を賑わせていたあのブーム。
あのブームは一体なんだったのか。 と、言う人をたまに見かけますが。
あれは果たして本当にブームだったのだろうか。 と、思った人は私ですが。
ゴマアザラシを見かける機会なんて、普通に日本で生活している人はそうそうあるわけでなくて。
水族館だか動物園だかに居るのだとしても、どこの園に行けば見られるかを把握している人も、
やはりそうそういない筈。
一般人からしてみれば、少しレアな存在です。
そんなレアなやつが、ただで見られる。しかも野生!しかも日本!しかも川!多摩川!レア度大幅アップ!!
ともなれば、とりあえず近所のご家族なんかは頻繁に様子を見に来る筈。
ちょっと根性のある一部の人間が県境をまたいで来ることがあったとしても、まあ不思議じゃない。
休みの日ともなれば、まあカメラのファインダーに埋まる程度の人が集まるのも、まあ不思議じゃない。
でもそんなに盛り上がってる人達ってのは、日本の全人口からすれば極々僅かなわけです。
休日の渋谷で普通のタレントが路上ライブやる程度のもんではないかと。
まるで凄いブームであるかのように盛り上がっていたのは、つまりはマスメディアという
集団の中で盛り上がっていたということでしかなくて、連日のように放送していたのは、単に
テレビの方々にとってちょっとブームだった、それだけの事であったのかもしれないと。


マスメディアが持っている力、それなり程度の根拠もないものを
常識、良識、悪徳に変えてしまう力が、こわいです。
嫌いだけれど、敵に回したくもないものです。