矛盾

でいうところの、最強の矛というのは、
それが作られて以来、現在に至るまで突き通せなかった盾が無いという実績があり、
さらに今後未来永劫にわたって、いかなる盾をも突き通すことができる、というものだ。


でも、人は未来を予知する能力はあまりなく、その矛が今後全ての盾を貫くことも、
あるいは貫けない盾が現れることも保証することができない。
従って、人はその矛の現在までの戦績をもってしか、その能力を判断することができない。
だから、人の言うところの「最強の矛」は、何にしても完全なものではないし、
しかし人が最善の努力でもってそれを「最強の矛」だと信じたならば、その人の言葉は嘘ではない。
人の認識できる真実の限界として、実在する「最強の矛」とはつまりその程度のものということになる。


そして、「最強の盾」にも同じ事が言える。
過去の実績だけで能力を判断するのなら、「最強の矛」「最強の盾」は人の世界で同時に存在し得る。
あるいは楚の商人は、両者を突き合わせてその能力を検証するという事を思い付かなかっただけなのかもしれない。


…………。。
という考えを前フリにして、なにか別の事を言おうと思っていた事があったんだけれども、
忘れてしまった。