テレビをみていて思ったこと。

他人を尊重するという前提を当然のように持っていて、かつ
自分の欲望をためらいなく語る人間を、好ましいと思う。
その裏に隠れて、その人間のポリシーや情熱が感じられればなおさら、となる。


その態度は傲慢とも見えるため、国民的な支持は決して得られないのだけれど、
私はそれは、人として正直で誠実でまっすぐなものに思われ、好感を抱く。


節操なく「人のために」等と語る人間の言葉は、いかにも作り物めいて見え、
それは本当の本当に本心からの言葉といえるのかと、
どれだけ真摯な気持ちでその強く美しい単語を用いたのかと、疑問を持つ。
安易な気持ちで美辞麗句を並べる人間は、私にとって不実の象徴で、汚い大人の典型であったりする。


多くの人間は、そこまで深く考えてその言葉を使っているわけではないと思う。
ヒューマニズムの模造品を唱える人間がいけないわけではない。
比較的多くの人々の支持を得られるかもしれず、そして多分一人の人間の支持を得られないというだけの話だ。


現実に人間全体の幸福を願っている人間もいると思う。
そういう人間がバカ正直にそういう言葉を使ってしまうこともあると思う。
そういう言葉が本心のものからか私は見抜けないかもしれないし、痛さを感じて素直に肯定することができないかもしれない。