無知

粉飾決算、偽計取引、ある程度言葉の意味は分かるのだけれど、
どこで踏みとどまれば合法なのか、どうすると違法なのか、
あるいは違法的であっても訴追されなければ目こぼしされる程度のものなのか、
他の会社でもありそうなことなのか、全くあり得ないことなのか、
倫理的基準にどの程度反しているのか、
裁判官にYesと言わせてしまえば合法で押し通せてしまう類のものなのか、
そういった感覚が、全てにおいて分からないのですね。私には。


そういう人間は、有識者が詳しく解説する内容をそのまま鵜呑みにするしかなく、
最悪に自分が愚かな場合は、要するに「OK」なのか「NG」なのかの2状態しか意味を理解できず
そのまま「そうなんですか」と受け容れる事しかできなくなってしまうわけです。
そういう場合は、その有識者の振舞いの端々にあらわれる人間性から誠実さ・賢さ・客観性を判断して
彼の言葉を信じるべきか否かを判断するのですが、
はっきり言ってそういった判断法は苦肉の策で、議論の本質には本来無関係なものでもあるわけです。


有識者と呼べる人間が身近にいない場合は、マスメディアが用意した人間の言葉を聞いて、
当事者がいかにどうであるかを、限られた情報で、判断させられてしまうのです。
スタジオの全員が同調していれれば、世間の考えもその相似形をしているだろうと想像します。
多くの意見を聞かなければ正しい判断はできないと理性の安全装置が働く前に、
第一印象を刷り込まれてしまうことが多いと思います。
無知というのは、おそろしいことです。


ただ、最近はネットの普及+ブログの普及によって、
一方的な価値観の押しつけの構図はかなり改善されてはいるみたいです。