今ここにあるファンタジー

自分のPCをインターネットに接続しているという状態は、自分の領域と外界とを行き来可能にするという事で、
以前は全く切り離されていた2つの世界が、通行門のようなものを介して繋がってしまうという事です。


考え無しに通行門を作れば、招かれざる客までぞろぞろ入ってきてしまうので、
ある特定のものだけが通れるように、シールドを張るわけです。
強力なシールドを1枚張るだけで済めばいいのですが、ソフトウェア等にはセキュリティーホールが含まれる
ので、シールドは2重3重4重と張っていくわけです。
そのようにシールドを何枚も張っていくと、管理者の注意が散漫になります。
新しいサービスを使用するために第2シールドに例外ルール等を設ける、でも外界からの無関係な攻撃は
第1第3のシールドで弾かれるので通常問題ない、等と防壁を組んでいくうちに、防壁の使い勝手は良いものになるのですが。
設定ミスやセキュリティホール等の要因が絡んでいつの間にか外界の侵入を許していた、なんてことも無きにしもあらずです。


こういった「防壁」が、なんとなく「結界」じみたものを私に感じさせたりするわけです。
何らかのルールに基づいた複雑な文様を描いて、魔を寄せ付けない為の防壁、みたいな。
ミスで穴を作ってしまう場合があるといっても、この防壁はそれなりに頑丈なものです。


さて、
ヴァンパイアは、そこの住人に招かれない限りその家に入ることができない、といった伝説があります。
ヴァンパイアに限らず、そういった特性を持った妖怪は存在するようです。
これが何となく、トロイの木馬とか、メールで来たexeファイルを実行して感染するタイプのウィルスに
似ているなという感じがあるわけです。


防壁はそれなりに強固であっても、家主が一旦許可を出せば、あとはその許可の範囲内であれば
一切お咎めなしで素通り可能、そんなシステムにはなりがちであるわけです。
そうでなければ不便なわけで、そういう超法規的特権を与えるだけの権限を、家主はもっているわけです。
例えばそれは、ActiveXのダイアログに「同意する」とか、パーソナルファイアウォール
特定用途向けの新規ルールを認めることでもあったりするわけです。


(まとまりのない作文になってしまった)