信じられない

「人間なんて信じられない」という言葉に、本当は信じられる筈だった、信じたかったという裏の心理を感じたりした。


初めから「信じられない」ことを受け容れていれば裏切られたと感じることもない。
信じられそうに見えたものに裏切られたことが、その人の絶望を深くしてしまったのかもしれない。
信用のできない人柄が、その人間の価値の全てをゼロにしてしまうわけではない。
時には良いところが見つかるかもしれない。彼の人間性を見誤った自分に過ちが有るのも確かなことで。
他人は自分ではないのだから、他人が自分の思い通りに動かないのは仕方のないこと。


悔しいのだという思いは理解できる。人一倍不運な巡り合わせを持つ人間もいるのだろう。
しかし全てを他人が悪かったのだということにして、全ての人間と決別するのは、それは間違いではないだろうか。と思う。


あるいは、人を信じることも信じないことも受け容れられないからこそ、全ての人を自ら拒否してしまうのかもしれない。