人肉

昼食をとりながら、なぜか何となく人肉食いについて考えていたりした。


これをタブーとして扱う風潮があるけれども、…まあ当然だけど…まあしかし、
食人だけに注目して嫌忌するほどのものかね、と。
たとえば雪山で遭難して、死んだ仲間の肉をアレしたとかいうのは、単純にしょうがないぐらいの感想で良くないかね。


食事に至る前にまず肉の調達の行程があるので、通常の社会生活では実行は困難だし、
また旨いものであると知っている筈もないので、食べたいと主張するのも少々おかしい。
だからこそ、普通の人は食人という行為に縁がないのだろう。
決して旨いわけでもないのに人の肉に固執する人間がいるとすれば、それは異常と思えるけれど。
歪んだ性癖、みたいに見えるからかな。常人離れした嗜好には、嫌悪感を持つのは妥当だと思う。


人肉ならダメっていうのは、ベジタリアンとか、特定の動物を食べない宗教と、
基本的には同路線の発想として考えてよい、のかな。
死者の弔いの意味での食人は理解できる。愛した人間の肉を食うというのも肯定できる、かな。
死んだ人間の一部がその人の中で生き続ける、受け継がれる、いつでもいっしょ、という発想だろう。


逆に食人がNGの場合、輸血や臓器移植も相当問題のある行為じゃないかと思う。
両者の合意、提供者に対する尊意、受領者の意志に重みを感じるから、一般的に
受け容れられているのだと思うけれど、死にかけの人間から臓器を出してこっちに入れる
ってのも、なかなかショッキングなシーンではある。


要は、対象を人として侮辱しているかどうか、ということかな。
生きている人間が肉を提供するということは通常無いから、人の権利を不当に奪う行為に繋がっている。
食欲は他の手段で満たす事ができるにも関わらず、敢えて対象を人とするのは人の尊厳の軽視であって、
許し難い行為である、のかもしれない。


あーあとは。食用肉はそもそも屍肉だから、かつ人肉なわけだから、
動物の骨よりも人骨にビビるのと同じかも。しかも見るだけじゃなく食い。まあ気乗りはしないねえ。