商人と職人

人の仕事に対する姿勢を、商人性と職人性という資質で計るという事を、最近考えている。
商人性が高い人は、職人性が低い。逆も然り。
職人は仕事の質をもって仕事の価値を計る。商人は報酬(収支)をもって仕事の価値を計る。
これらは仕事の処理の優秀さとは直接関係が無く、どちらかといえば性格的な傾向である。


一見、職人の方が偉い・まじめ、と思われるかも知れないけれど、そうとは限らない。
例えばサービス残業を積極的に行うのは、職人性の強い人だと考える。仕事の効率は考えても、
金銭的な効率の計算が甘いのが職人である。自分の責任範囲を理解して、あまり手を広げずに
定時で帰るのは商人である。
過剰なサービスは安売りに繋がる。安売りは金額的な仕事の価値を下げる。客はその仕事の
価値はその程度なのだと認識してしまう。価格の上げ下げに配慮するのは商人である。


商人は生産性に敏感である。その一方、生産物の質には鈍感である。
商人は、要は金になればいいと思っている。質の低下に気を配るとすれば、それは売れるためでしかない。


職人は報酬よりも仕事の内容を重視するため、収入は下がる傾向がある。
商人は低報酬に納得できないので、報酬を重視して仕事を選ぶ。


商人ばかりの組織は、いいモノを作れないので潰れる。
職人ばかりの組織は、金のやりくりができずに潰れる。


そんな感じ。もう少し整理した方がよいと思うけど。