途方もないもの

高いビルを見上げて、「でっかいなあ」等と思う。


自分はよく、これは自分で作れるだろうかとか、ひとりで作れるだろうかといった事を漠然と考える。
ビルなんかは全く無理で、例えば多少人手があり、規模を落としてよいとしても、ビルのようなものは
かなり遠い世界の存在であったりする。


都市における電気や水道の網羅をすごいと思う。各家庭の蛇口をひねると水が出る。
こんな事を実現しようと誰が言い出したのかと思う。その実現の労力を考えると気の遠くなる思いがする。


電車。何千キロと線路を引き、数十トンもの車体が、1日に何十も往復する。
その運搬能力に圧倒され、このシステムの実現に掛けた労力に圧倒される。


いわゆる政治家やビジネスマンに相当する、明治の頃の志ある人物達が、日本においてはそれらの基礎を
創ったのだろう。もっと遡れば外国のどこかの話になるのだろうけど。
最初のこれをやろうと言い出した人間の発想の壮大さに感服する思いを持つ。


そう思ったのだけれど、どれもこれも最初は、小さな規模で始めた事なのだなと思う。
電車なら、ほんの100m程度、自動で荷物を運搬するような。
水道なら、この敷地のここに水路を通して水をいつでも引き出せるようにしようとか。
それが自然と、あるいは必要に応じて、現在のような巨大な規模のシステムにまで成長するに至ったのだと。


千里の道も一歩から、という言葉の意味を、少し実感したりする。