「見える化」

という言い回しも、あまり好きじゃない。
インテリ臭いというか、頭良さそうな人が喜んで使いそうな流行り表現には、
私は結構抵抗がある。一定の嫌らしさを感じる。
できるだけ「可視化」あたりの言葉を使いたいと思う。


と思いつつ、この表現の考案者にはけっこうな配慮の意識を感じる。
一般に意味の通じ辛い怪しげな横文字表現を避け、難しい言葉(「可視化」のような)を避け
子供にも分かる言葉を選んだ。
ちょっとダサいとも思われる言い回しを敢えて選び、名を捨て実を取るような主張で
逆に格好良さを演出したり、あるいは親しみを得る事を狙った。
また「可視化」と言っては既存の概念の「可視化」と全く同じ概念と思われてしまう。
「可視化」とほぼ同義であっても、切り口や解決法が少し異なる新しい概念である事を
意味付けするために、新しい語彙を作る必要があった。


まあよくできた言葉だと思う。「ソリューション」なんかに比べると随分と好感が持てる。


まあでも、嫌いなのだ。何となく。
頭のいい人や頭のいいモノは好きだが、頭の良さを主張したがる意識は嫌いだ。
もしかすると、馬鹿の一つ覚えのように隙あらば「見える化」言いたがる底の浅さというか、
発言者が内在している愚かさが気に入らないのかもしれない。


「幸せになれるかもしれない」この言い回しも同様に嫌いだったりする。
そういう言い方がスマートだとか思ってるんだと思うのだけれど………どうだろう。
最初に考えた人のセンスは好きなのだけれど、安易なパクリは全くスマートでないと思う。