手持ちの広辞苑によると、「つわもの」は「兵」であり「強者」ではありません。
「強者」は「きょうしゃ」ないしは「こわもの」と読みます。
「それぐらい知っとるよ」と言われそうですが、
いやまあ、ぼくだって知ってるけど。うっかり間違ったりしませんか?
検索サイトなんかで調べてみると、見た感じ間違った読み方してるなってものも多くあり、
中には「強者(つわもの)」などとご丁寧にかなをふってくれてるトコもあるんですが。
今まで漠然と、字面から適当に訓読みして間違ってんのかなと思ってたんですが、
よく考えると。
「強者」をそのまま読んだら「つよもの」だろうと。
「強い」に「つわい」なんて読みは無いわけだから、
「つわもの」という音と、「強者」という字面だけが記憶の中にあったとしても、
通常、それがそのまま繋がる事はない筈、ですよねえ。
というワケで、これは実際に誤用を見掛けた上で、そのまま取り込まれた知識が
蔓延している状態なのだと思われるわけです。
いや、言いだしっぺって誰なんだろうねとか、思ったりしました。


ああ、それから。
2ちゃんねるとかで、なんかそういう言葉の誤用に厳しい人がたまにいます。
(いや、2ちゃんは関係ないかもしれないけど)
そういえば以前、2ちゃんねるをテレビの2ちゃんねる(NHK)と思っている人がいて、
いい感じに話が噛み合わなかったとか、そんな話を小耳に挟んだりしましたが。
で、誤用に厳しい人。
そりゃもう、こんな事も知らないんですかうわ馬鹿ですねえ! ぐらいの勢いで
非難する方がいて、まあネットってそういうもんですが。
基本的に。言葉の誤用を察知するためには、正用法と誤用法を知っている必要があって、
正用法しか知らない場合は、ただ単に相手の言葉が意味不明なだけなワケです。
よほど明らかに不自然な場合でなければ。
で、彼が誤用法を知っているのはなぜか。十中八九、彼も間違って覚えてたからです。
で、彼が正用法を知っているのはなぜか。
自力でたまたま誤りを発見するよりも、他の機会で知ることが多いと思います。
特定の表現に対しての誤用訂正が流行ることがあるわけです。
「情けは人のためならず」とか、他に思いつかないけど。
日本人の数割ぐらいが勘違いしてることがあって、訂正ブームになるわけです。
その時に自然と知識に入ってきたと。
はっきり言いまして、このパターンの可能性が一番高いと思います。
そういう事情をかんがみると。
どうせあんたも最近取り入れた知識の癖に、偉そうにすんな!
とか、思ったりします。