私が、映画や小説等を鑑賞した後で「すばらしい作品だなあ」という感想を持つために
概ね不可欠な要素の一つとして、
ハッピーエンドとまで行かずとも、少なくともポジティブさを匂わせる結末
が、あると思う。
現実は必ずしも、小説のように都合よく展開するとは限らない。
だから、バッドエンドという展開は、現実味においては優れた印象もある、のだけれど。
完全に暗い結末のまま終わってしまうと、ひとりの観客として幸せになれないものがあって。
その作品が名作と呼んでいい出来であっても、同等レベルのハッピーエンドの作品には
出来として負けるのではないかと、思ったりする。
作品作りの難しさから言えば、
不幸な結末にリアリティがあるのは、ある意味当然の事なので、
そういう形でのリアルさの演出は、別に難しい事ではないと思う。
現実感を押さえつつ後味の良い展開に持ち込めるかどうかが、制作者の力量が問われる部分ではないだろうか、と思う。