「おぞましい二人」という絵本を読みました。
イギリスで起きたある悲惨な事件を元にした内容です。
とりあえず、大人向け、と言っておくべきでしょうか。
子供に見せるかどうかは、ひどく判断に迷うところです。
この絵本を読んで、子供はどんな感想をもつのだろう、という事に興味を惹かれる。
もう一つ、
いかに悲惨な内容であるとしても、これ話がほぼ実在する世界であるという事実は否定できない。
この本を子供の目に付かない所に置くのだとしても、事実を否定して生きていく事はできない。
それに、この本はある男女の生まれ、育ち、死にを淡々と記録しただけのもので、
この話から何を感じ取るかは、ほぼ読者に任されている。
作者の見解は、表題で僅かに「おぞましい」という感想で触れられているのみで、
これを読んだ人間が悪い人を目指すか良い人を目指すかは、読者次第だと思うのだ。
そういう意味では、普通の絵本との違いは無いと思う。
一方で、あえて子供のうちから知る必要は無い世界、という考えも確かに的を射ているとは思うわけで。


原書のタイトルは 'The Loathsome Couple' です。