連作物のライトノベルなんかで、続きを早く読みたいよー、などと思う事が、往々にしてあります。
ちなみに今が、「ライトノベル」という単語を自発的に使用した生涯最初の瞬間である。
しかしライトとは言えノベル。結構いいペースの作家で3ヶ月。異常に筆の速い作家でも1ヶ月は待たされます。
つか発売日が月イチに決まってるので、現状の制度ではそれより短くなりようがないです。
そんな思いを繰り返していると、むしろ逆に、もっと速いペースでかつ高品質な小説なりシナリオなりを
量産する方法はないものだろうか、と思ったりします。
とりあえず、作業者を増やすのが簡単です。
しかし増やすだけでは、個人の能力差や思想によって、部分部分でちぐはぐに作風が変化し、
全体としてめためたな作品が出来上がりそうな事は目に見えています。
言ってみれば、「一人の作家が作ったような感じ」にどのように持っていけるかが問題です。
なんて事を、考えていたわけです。


バーチャルアイドルって、絶滅してしまったのでしょうか。
しかしここでは、アイドルならぬ「バーチャル小説家」を生み出す事にします。
まず、実在する一人の小説家を鋳型の原型とします。
そして、その小説家の小説家としての性格を詳細に分析します。
当て字を好むとか、主人公級のキャラクタの視点から1人称的な表現で情景を描写するとか、
概ねハッピーエンドだとか、現実指向であるとか、文体からなにから色々。
そうやって分析した個性から、そういう個性を持ったバーチャル小説家を、再構築します。
必ずしも原型の忠実なコピーである必要はありません。仮想小説家を構築する事が真の目的です。
スタッフは、その小説家ならどのように創作するかを意識し、展開を考えていけば、
作風も安定し、意思の統一もしやすかろうと思うわけです。そうしてできた作品は
そのバーチャル小説家のブランドとして、世に出していくわけです。
本物の小説家レベルの人間に、コアクリエイターとかの称号で監修してもらいましょう。
全体のもっとも基本的な流れはチーフ会議か全体会議で決定し、詳細なエピソードは
チーム単位でプロットを作り、コアクリエイターにレビューしてもらう。
あとは創作能力はそんなでもなくても、多少小説を書き慣れた人(たくさん雇う)に細かい文章を
打ってもらって、チーム内で推敲。そしてチーフクラスの最終レビュー。
みたいな。


それから、登場人物が絡むシーンの作り方にもちょっとアイデアがあって。
性格俳優―適当な言葉がないのですが―という役者を作ります。
で、あるシーンを作りたい。そのシーンはこういう状況で、人物はこういう話をしていて、
誰かがこういうことを言って、最終的にこういう結論になる。ということは決定している。
で、作る作品がキン肉マンなら、万太郎とかミート君とかラーメンマンとかを演じる役者を
雇って、その状況を演じてもらう。
ただ、台本の台詞は白が多い状態で、その場でやってもらうのは予定調和のTRPG
役者はキャラクタになりきって、アドリブ大会。
で、その発言を記録しておいて、ちょっとおかしな流れになっているところは調整したり、
撮り直したり。
一人の作家が考えていると、各人物の考え方が同じ方向に偏ってしまうかもしれないけれど、
こういう手法をとることで、各人物の人間性がより際立ってくるかもしれない、とか思ったり。