最近、一太郎を触る機会が実はあったのでした。
正直、一太郎なんて過去の時代のソフト。今更こんなんで資料作らせんなよなーとか
不満ぶーぶーで、いやそこまでではないにしてもまあ仕方ないなあぐらいの
勢いで使ってみたわけです。が、
これが意外と、とっつきやすかったのですよ。
最近のMSOffice製品は触った事がないので、どの程度使いやすくなっているかは
分からないのですが、Word2000と比較すると、なんというか、ユーザーに対する愛の
量がかなり違うのです。
高級で多機能なアプリケーションが犯しやすいミスが、数ある機能を全部ボタンにして
ツールバーを何段にも重ねてしまい、どこにどんな機能があるのかちっとも把握できないような
UIにしてしまう事です。私はツールバーのやたら多いアプリってウザいと思うのですが、
他の人もそう思ってるんじゃないでしょうか。
一太郎も、一画面にかなりの数のボタン系のUIがあります。が、
ツールバーは一段で、その内容もかなりシンプル。
下端にファンクションキーのバーがあり、日本語表記で、ShiftやCtrl押しで表示が変わる。
その上にはシート切り替えのタブと、倍率切り替え等のボタンがこっそりおいてある。
左端に表示切替のタブがある。右端のサブペインはヘルプや特殊機能のパレットがあって、
機能ごとにカテゴリ分けされたものがタブと分割窓で切り替えるようになっている。
全体的に、一望して認識できる一つのグループの中の要素数が多すぎない量に抑えられていて、
画面を見た時に抵抗を受けない・飽きさせない感じがするのですよ。
このサブペインにしても、一般のアプリでは左側に置かれるのがほぼ常識になっているのですが、
実際使ってみると、どうもこれは右側に置くのが適切なようなのです。
メインで作業を行うのは文書の編集で、そういう重要な操作は左上側で行いたいと
体が言うのです。だから、サブペインは右側の方がいい。
で、このサブペインに作業中の内容のヘルプが出ます。Wordではカイル君の役割ですが、
カイル君って、可愛いけどやっぱりウザい。マウスを近づけると動くし(動かなくても困るけどさ)、
出たり消えたり邪魔くさいし、操作先のフォーカスを唐突に奪ってくるし、大して役に立つ事言わないし。
結局、定位置で黙々と解説してくれた方が、視界の入り方が自然だし、
操作中の領域を侵さないし、情報量も多いのです。
また全体的に、アイコン表示だけでなく、機能に対する日本語の説明が入っています。
やぼったいかもしれませんが、言葉で書いてある方が分かりやすい事が多いからでしょう。
まあ要するに、ぶっちゃけWordよりも使いやすいっしょコレ。と思ったのでした。
そういう、一太郎のUIに結構感心した直後ぐらいに、例の販売中止の判決があったわけで、
なんか松下なんてろくにソフト作りもしらなさそうなおっさん達に、変な特許で
いいソフトの製作を妨害させられそうなのが、とても不愉快だったわけなのです。