宇宙人

「宇宙人」と言うと、まるで人の形をしていると決まっているかのように語られる事が多い。
丁度人間が認知できるサイズをしていて、人と同じく縦長の姿勢で、知能が人と同等か少し優れているぐらい。
科学に根ざした文明を持っており、かなり高性能なメカを所有している。


何を持って知性とするか、文明とするか、人とするかは、正直よく判らない。
蟻塚も、文明的遺跡のような風貌をしているし、例えば植物が種を広範囲にばら撒くとか、
ウィルスが生体に侵入するとかは、高度なテクノロジと言えないのだろうか。
そもそも生物という存在そのものが極めて緻密なテクノロジで構成されている。人知を凌駕する程の。
生物が自己を進化させ、改造していく過程は、より大きな存在・生物の総体としての何者かの
知性のようにも思える。人がたくさんの小さな生物―細胞で構成されているのと同じように。


宇宙より来訪したのが、ロボットだったら、植物の種子だったら、鉄の塊だったら、ミジンコだったら、
彼らのどれかは、宇宙人なのだろうか。どれも違うのだろうか。