勝ち組・負け組

という言い回しが、とても嫌いだ。


この言葉を聞くたびに漠然とした不満を感じていて、その不満の元は一体なんなんだろうと
考えてみたのだけれど。
一つは、既成の・与えられた・画一的な価値観で自己や他人の価値を測ろうとしていることで、
主体性も個性も無い評価基準しか持てない程度の人間が、人の優劣を偉そうに語っているように思える事。
もう一つは、「組」という表現。
つまり勝ち組というのは「比較的優れている方の人」、あるいは平均点以上の人とか
偏差値60以上の人とか、そういうニュアンスで、なんだかその程度の地位で満ち足りてしまうというのは
非常に小市民的で、とてもさむい。


確かにね、嬉しいですよ。平均点以上であればまあホッとしますよ。御の字ですよ。
しかしですね。
どう考えても口に出して威張れるような事じゃないです。そんな事で顔をほころばせては、
もっと強い人に「まあ、君の能力では頑張ってそんな所でしょうね」とか、思われてしまいますよ。
そーんなのーは、いーやだ!ですよ。


勝ち「組」なんてレベルでなくて、まあせめて上位数%ぐらいのところに入ったぐらいで少し納得する。
旧来の基準で自分の評価が届かないようなら、無理やり自分で新しい基準を作ってでも
「まあこの分野なら私の右に並ぶものはそうそういまい」ふふふ。とか自己満足に浸ったりとか、
そういうプライドは持っていたいと思うのですが、どうでしょうか。だめ?


まあ実際の所、勝ち組負け組言ってるのはほとんど放送や出版のメディアの方で、しかもそういう表現に
ギャラリーが強く反応するので好んで使っているだけという感じなので、
別に「アタシって勝ち組だしー?みたいな」とかマジで言ってる人はいないのでしょうが、たぶん。