ドラえもんとか

録画しておいた「のび太のワンニャン時空伝」を、観たのでした。
すでにFさんの手を離れたドラえもんは、今どうなってるんだろ。とか思ったので。
それなりに楽しんで観てましたが、
うん、ま。それなりに。子供向けかな。


ドラえもん」と聞くと、低学年向けのマンガ、子供だましのストーリーという評価が
定着してしまっているような気がするのですが、んなこたあねえと私などは思ったりします。
特に長編の方は、元々青少年をターゲットにできる内容に、ドラえもんとしてのアレンジを
加えたような感じの、本来は結構難しいテーマを扱っているものもあるのです。


そして、私の一番のお気に入りが「のび太と鉄人兵団」なのです!
これに登場するゲストヒロイン「リルル」は、ドラえもん史上
最も感動的なキャラと自負しております。 自負?


ロボット軍団が襲って来た目的は、単純な地球侵略とは少々事情が異なります。
かつてロボットの星では、文明が発達していく中で貧富の差が生まれ、
富める者が貧しい者を奴隷とする構造が生まれていました。しかし徐々にその制度に対する
批判が高まり、最終的に奴隷制度は廃止し、ロボットはみな平等との結論に至ったわけです。
で、代わりの労働力として、人間を捕獲しに来たと。
このストーリーには、
奴隷制度は良くない?人類はみな平等だって? OK。それは素晴らしいアイデアだ。
 ところで、ロボットを奴隷のようにこき使うのは別に気にならないカイ?」というFさんの問い掛けが、
あるわけですよ。
実際リルルも最初は何の疑問も持っていなかったのですが、人を知るにつれ徐々に迷い始めるわけです。


最も切ないのが、リルルの脱走後、のび太が彼女を発見してしまう場面。
止めなければならないのにリルルを撃てないのび太と、
行かなければならないのに止めて欲しいリルル、
しかしなぜリルルが撃って欲しいと思うに至ったかと言えば、そこで引金を
引けないようなヒトの心に惹かれたからこそであって、
この解けないロジックが、もう、萌え萌えなのですよ。


ロボットの癖に容赦なく人間側につくドラえもんやミクロス(ゲストキャラ)の立場の微妙さも加わって、
結構考え込む内容になってるよなあと思います。
これでも、子供向けとおっしゃります?