ホラー

というジャンルは、現実とファンタジーの境界にあるのだと思った。


私は、私個人の気持ちとして、幽霊の存在を否定しない。肯定もしないけれど。
でもたてまえとしては、存在しないものとして扱っている。し、少なくとも私の短い人生において彼らと遭遇した記憶はない
それでも、ちょっと怖いのだ。
いないと思っているのに、いるという前提のもとに発生する「怖い」という感覚を、何故か持ってしまう。
それは「いるかもしれないから怖い」というよりも、「いないはずなのに怖い」という表現の方が近い。
物語の中でしか聞いたことしかない、見た事も触った事も無い、論理的に考えれば空想の産物である筈の
得体の知れない何者かを、今現実の世界に生きている筈の私が恐れているのは、とても不思議な事だと思う。


「肝試し」という行為についても、そうだろう。
本当に何も出ないと思っているのであれば、深夜の墓場をうろついてみたって面白い事は何もない。
別にコウモリや熊や変質者の登場を期待して、そんなことをしているわけでもないだろう。