Missing

電撃文庫、著:甲田学人


完結しました。


最初に買ったのは、4巻だったっけ?
そもそも、『千円札で購入した時におつりがゾロ目になるような商品を購入する』という
ひたすら無意味な目的のために購入された書籍でありました。(いや諸事情ありまして)
とはいえ、それ以前からちょっと興味を持っていたが故に、いい機会だというので手に入れたという
裏事情もやはりあったりはしたのでした。


当初は「まあ好きですな」程度の印象だったのですが、7,8巻以降ぐらいの時期になると
「最も続きが待ち遠しい小説」級に昇格していたりしました。
…本当は十二国記が「最も」のような気がしますが、こっちは完全に停止していてもう諦めたというか、内容忘れちゃったよ。


この小説の魅力は。
暗さ。精神的な痛々しさと、肉体的な凄惨さ。見方に作為的な歪みを加えず、淡々と描かれる風景が
心地よい感じ。
それから、ホラーとファンタジーが現実から離れ過ぎないこと。現実にある伝承や伝説を基礎にして
異界は無闇にその姿を現さず、現実に起こりうる現象で人の世界を徐々に浸食していく過程に、
現実性が感じられて、面白いなあと私は思ったりします。


というわけで、終わってしまって残念です。ああ残念。
どういう事情か、最終巻のみ翠川しん氏のイラストが入っていないという事がさらに残念。