一人暮らし

ベッドで寝ていたら、何かの音がして意識が戻った。
薄目を開けて周りを見ると、床に積んであった本の山が崩れていた。
「なんだ」と思って、再び目を瞑る。と、誰かが動く気配がしたような気がした。
手を動かしたら、その「誰か」に触れたような感じがした。


あれ? 誰もいるわけがないんだけど。


ちょっと混乱しつつ、しかし猛烈に眠い。
「本当に誰かいたら困るなあ」と思いつつ、気合いを振り絞って意識を覚醒させる。
目を開けて、周りを見た瞬間に、部屋のドアが閉まったように見えた。ような気がした。
でも、このドアは閉まる時に音がするはず、そしてその時は何の音も聞こえなかった。
念のため、起きあがって部屋のドアを確認する。半開きでなく、最後まで閉まっている。
いちおう玄関を確認すると、ちゃんと内側からロックが掛かっている。


…。ええと。


夢だね。夢に違いない。