核爆弾

核攻撃の恐れるところは、その破壊力よりも、後年までもたらされるであろう放射能による環境汚染にある。
と、私は思っている。し、多分そこがポイントだと思っている人は多いだろうと思う。


のだけれど、
原子爆弾の例を考えると、放射能汚染と言っても一体どの程度のものか、その威力がちょっと疑わしく思えてきたりする。
放射線の害というと、遺伝子へのダメージを考えると思うのだけれど、
原爆の影響で奇形児が生まれたという話は、ちょっと聞いたことがない。あったのだろうか。
(ちょっとぐぐってみたら、やっぱり基本的には無かったらしい。)
白血病など、被爆による後遺症の話はよく聞くけれど、
爆弾の投下時・投下地点付近にいる人間を殺傷するのは、爆弾という兵器の当然の性質なので、
それは単に、即死するか時間をかけて死ぬかという問題に過ぎないと思う。


原爆投下後も当然のようにその地に多くの人々が住み続け、被爆していない条件で人がバタバタ死ぬこともなく、
60年たった今はごく普通の都市として在り、投下地点の建造物が観光名所となっている現状を見ると、
核爆弾のあのイメージはなんかちょっと現実離れしているのではないかと、思ってしまったりする。


まあ、「核爆弾はさして危険なものではないよ」なんてイメージを吹聴する必要はないと思うけど。


アスベストでもガンになる。ダイオキシンでも奇形児は生まれる。
それらに比べて、核爆弾の放射能の毒性はどんな程度なんかなと、ちょっと疑問に思ったわけです。