髑髏がこわい理由

髑髏が不気味であったり、恐いもののシンボルとして扱われるのは、死を連想させるからだろう。


同じ人体の構成部品である脳や内臓、筋肉などは、一応気持ち悪いものではあるけれど、死の象徴として
見られる事はあまりない。なぜだろう、と思ったが、生き物が死んだ状態でいつまでも残っている残骸が
骨だから、なのだろう。
内臓の類は、死ねばすぐに腐り落ちてしまう。内臓が見える状態は体が深く傷ついている状態だから、
不吉なものではあるけれど、それでも、赤くみずみずしい物体は、まだ生存している状態に近いものだ。
人が死に、肉の部分が風化しても、骨はかなり長い期間その形を留めている。そのため、死のイメージと
強く結びついているのだろう。


ハナヤマの人体解剖パズル(人間の頭)を組み立てていて、そんな事を思った。
http://www.famemaster.com/Product/4D-Puzzle-Toys/educational/Gift-Box/4D-Puzzle-Toy-Education-Cranial-Nerve-Skull-Anatomy-Model-26053.htm


完全に解体してしまうと、一応人間の形を為していたものがただのゴミのようになってしまい、哀しいというか、無常感のようなものが漂う。
他人の死に遭遇したとき、生きている側の人間の感覚として、死体という状態は、生きている状態と火葬後の状態との中間にあるのだろう。
死んだのだから、焼こうが捨てようがどうでもいい、というわけにはいかない。
火葬して物理的に見えない状態にしてしまうのは、その人を本当に諦め、今後関わらない事を決心する、ということなのだろう。