犯罪者

未就児ぐらいの子供を見ていると、子供の頃から真性の犯罪者という人間は、いないように思える。
犯罪というのは、多少知恵の付いた人間が行うものらしい。


何となく犯罪の種類を分類してみる

  1. 深く考えずに行われるもの
  2. 自分が得をする為に行われるもの
  3. 他人を傷つけるために行われるもの

強盗や保険金殺人などは、2の分類になる。3は、他者を不幸にするのが目的のもの。
3の中には、

  1. 対象と目的がはっきりしているもの
  2. 漠然とした不満から行われるもの

がある。
前者は復讐的なもので、後者は無差別殺人や愉快犯的なもの。
3-2は、一般に最も社会に憎まれる犯罪であろうと思う。


ぼんやり思うのは、3-2のような人間がどうして生まれるのか、ということで。
実は、彼らの気持ちが全く分からないという訳でもない。それでも私はやらない。一般人はやらない。なぜだろう。


「社会に憎まれる」と書いたけれど、愉快犯のような人間は逆に、社会を憎んでいるだろう。
社会を憎み、社会に危害を加え、社会から憎まれる。これは自然な流れだ。
考える方向を逆に持っていけば、彼らが社会を憎む原因があったであろう事は、容易に推測できる。
おそらくは、彼らは社会の何者からか、危害を加えられた経験があったのだろうと思う。


犯罪者でない人間は、たまたま周囲の環境が恵まれていたために、彼を取り巻く社会に
強い不満を抱かずに済んだという人も多いだろう。あまつさえ社会に利益を還元しようとする人すらいる。
犯罪者に用意された人生に比べて、随分と大きな差があるものだ。


何かの切っ掛けで、愚劣な行為は愚劣な結果を生むことを理解することができれば良いのかも知れないと思うが、
もっと初期の段階で、それを学ぶことはできないのだろうか。
子供はどのような経験を以て、一人前の犯罪者に成長していくのだろうか。