自然とか

結論のない話ですが。


常々、緑があって水の流れているところに住みたいと思います。
普段住んでいるところがそうではないので、たまにそういうところに行くと安らかな気持ちになるわけです。
なるんですが、しかしそういう美しい世界はある種のファンタジーであって、現実の緑ゾーンは必ずしも
優しいものではないわけです。ライフラインや交通の便が悪いというのは当然として、まあ厄介なのが虫です。
ムカデだの蚊だの子バエだの蜘蛛だの蛾だの、都会の生活に慣れた人間には精神を直接蝕むような存在です。
それでもまあ基本無害な連中はまだいいですが、蜂やら蛭やら邪悪な植物の汁やら毒茸やら猪だの熊だのって
話になると、もう本格的な対策が必要になるわけです。いや茸は採らんけど。


とすればつまり私が求めている自然というのは言うなれば、安全な自然、人への利益ばかりを持っている
都合のいい自然、人によって制御された人工的な自然、という事になるわけです。
大概の人が言う「自然っていいよね」発言は、せいぜいその程度の意識であると思われるわけです。


心を癒やす存在として求められる自然は、言わば野生動物ではなくペットであり、観葉植物、家庭菜園、
道路の並木、公園の緑といったもので、そういったものは人間に都合良く切り取られた自然であり、
自然本来の姿ではないわけです。人間にとってはそれで良いわけです。
そういうのは本質的には「自然を大切にしている」こととは関係がなく、そういうわけでまあ「自然を守ろう」と
人が思う動機の多くは自然を守る事ではなく、人の利益を守るためのものだという事でもあります。
まあそれは当然で、自然はある種人にとって敵でもあるわけなので、それを何とかする事を批判する気持ちは特にありません。


まあ、何というか。
私が「やっぱり自然はいいネェ」等と言うとすれば、多分それは相当自然を舐めくさった発言なのだろうなと。
自然がそれを聞いたらあるいはキレられてもおかしくないぐらい不用意な発言なのだろうと。
「ちょ…てめ森潰しまくり動物殺しまくり水も空気も汚しまくりで今更何寝言言ってんだコラ。」的な。