挟撃

挟撃って、そんなに有効なんかね、と思ったわけです。


横山光輝の漫画なんかを読んでると、よく出てくるわけです。
調子に乗って攻め込んだ軍勢が伏兵に背後を取られてふるぼっこ、みたいな。
大勢力があっさり潰乱してしまったりするわけですが、挟撃とはそこまで効果のあるものなのでしょうか、と
挟み撃ちをした事もされた事もない私などは思うわけです。


基本的なところから考えていくと、
まず、戦いにおいて背後を取られる事はまずいわけです。
それでも、単純なバックアタックなら厳しいのは最初の一撃だけで、後は前列と後列を入れ替える暇があれば問題ありませんFF3なら。
しかし挟撃は、受ける側は常に一方に背を向ける形になり、隊列の回復ができません。なるほど危険です。


問題を単純にする為に、2人対2人のケースを考えます。
挟撃を受ける側の最善の隊列は背中合わせに立ち、背後を無くす事です。これで、前面の敵のみに集中できます。
…とうまくいけばいいんですが、前面の敵のみに集中するには、背後の味方を100%信頼する必要があります。
後ろの敵の攻撃を後ろの味方が受け損なって自分に飛んでくるかも、といった懸念を一切捨てる必要があります。
外側の攻め側は本当に後ろに誰もいないのだから、安心感が違います。


射程の長い武器は、外側の敵は味方に流れ弾が当たる可能性があるのに対し、内側は遠慮なく撃てるから得かな?とちょっと思ったのですが、
そもそも、外からの攻撃が内側のひとりに当たらなかったとしても流れ弾を喰らう可能性はもう1人の内側の人の方が高いわけです。
そもそも外からの攻撃は2度おいしいのであって、味方に当たるデメリットはその副作用に過ぎません。
なので、全然得じゃないです。


加えて、外の敵は戦況全体、つまり3人を見渡せるのに対し、内の味方は前の1人しか状況が判りません。これも不利です。


今度は、多数対多数のケースとして、
内側が取れる最善の隊列は、前述の通り背中合わせに立って全方向で敵と向き合う事です。最も互角に近い状態になります。
しかし実際に挟撃された場合は、そのように隊列を固めるのもまずいのです。そもそも挟撃の形が圧倒的に不利であり、
隊列を固める事は挟撃の状態を固定することなので、そのまま順当に行けば内側がより高速に人が減っていきます。
なので内側は大ダメージ覚悟で、隊列を崩してでもどこからか包囲を突破しなければなりません。でないと全滅します。


というわけで、挟撃はやはり有効なのだと思いました。


ずっと昔、ドッジボールをボール2つでやった事があります。これは比較的、挟撃の恐ろしさを体感できたゲームではないかと思います。
前の敵がボールを持っている際、そこに意識を全て集中するわけにはいかないわけです。
それこそ、防御は複数人で背中合わせに立つのが効果があるかもしれませんが、それで安心ってわけにもいかないですね実際。