中山さん問題発言について

問題発言と呼ばれるものは前後の文脈がとても重要だと思うのだけれど、マスメディアはざっくりと
省略してしまうので困る。

  • 成田空港建設への反対闘争について「ごね得というか、戦後教育が悪かったと思う」

ごね得」が問題。
三里塚闘争 - Wikipedia
人としての権利を守るための反対運動に対してこのような発言が為されたのであれば、大いに問題だろう。
ただ個人的には、実際に「ごね得」で建設予定地に居座った不良市民を主に指しているような印象を受ける。
まあ口が滑ったにしろ、大臣として配慮が足りない発言という指摘は妥当なのだろう。
どういう話の流れでこういう言葉になったのかは分からない。
この件について後に当人は謝罪している。

  • 「日本は随分内向きな、単一民族といいますかね、あんまり世界と(交流が)ないので内向きになりがち」

単一民族」が問題。
政府は今年6月にアイヌ先住民族と認めたばかり。
単一民族という表現については、1986年に中曽根総理が「日本は単一民族国家」と、2005年に麻生総務相
「(日本は)一国家、一文明、一言語、一文化、一民族」と発言した問題を引きずっている。
確かに、3つの発言の中でこれは一番危ない問題発言だと思う。
ただこれは、文脈のメインは「日本人は内向き」という事で、異民族との交流を嫌う傾向があるということから、
単一民族という言葉がうっかり出てきてしまったのだと思う。
単一民族」という表現は配慮に欠けるのだけれど、ココだけ引っ張り出して論じるような問題なのだろうか、
素朴な疑問が残る。
マスメディアが大袈裟に取り上げなければ、アイヌの人が「まだあんな事言ってるのか」と
少しイラッとくる程度のことではないのか。
この件について後に当人は謝罪している。

  • 日教組の子供なんて成績が悪くても先生になるのですよ」etc..

根拠不明なのが問題。誹謗中傷の域を出ない。
日教組には色々言いたい事があるらしい。
個人的には、発言の問題性は軽微なものと感じる。日教組なんてかなり体力のある組織なのだから、
正式に反論すればいいだろう。
この件については謝罪しているのかどうかよく分からない。ただ間違っていないと思っている事については
謝罪したくないらしい。


この手の問題発言で、あっさり大臣が辞職してしまう風潮についてはかなり疑問が残る。
仮に彼が国交相として国内でもっとも優秀な人材であったとすれば、あまり本来の仕事と関連しない
発言のために辞職する事は、意味があるのだろうか。そうすべきだと皆は本当に思うのだろうか。
彼が国交相として適任かどうかは、私は正直よく分からない。しかし麻生首相は適任であると評価を下したのだろう。
彼が辞任して、第2候補の国交相を採用する事は、シンプルに考えて本来は有益ではないはずだろう。


麻生首相任命責任があると言われ、首相もまた責任を取るべきと主張する人がいるけれども、
麻生首相は一応国民にかなりの支持を受けていたはず。国民も相応の責任をとるべきなのでは。
というか、辞めさせてどうしたいのさ、といつも思う。代わりに誰に首相をやらせたいのさ。
何か意中の人がいるのだろうか。


何かこう漠然と、もっと大人になれないものか、と思う。
大人になるべきなのは、政治家か、マスメディアか、国民か、はたまた私自身か。