ミスミソウ

ミスミソウ 【三角草】 (1) (ぶんか社コミックス)

ミスミソウ 【三角草】 (1) (ぶんか社コミックス)

完結しました。全3巻。
ここんところ、私の心にびびーんと来る漫画が無かったのですが、久々に来ましたよ。


押切氏と言えば新感覚ホラーギャグの方ですが、これは全く異なり、かなり陰惨な内容です。
何となく感想に困る感じなのですが、内容をいくつかキーワードで説明すると
「ムラ」「いじめ」「負の連鎖」「閉塞」というところでしょうか。
展開はスピード感があり、ラストまで一気に読めます。私は半年おきぐらいに1巻ずつ
読んでたわけですが、そういう読み方が勿体なかったなと思うような漫画でした。


内容は破天荒なようで、実はよく練られている展開だと感じます。
一見、登場人物の行動はいかにも異常に見えますが、しかし全ての主要キャラクターに行動の説明が
さり気なく付けられていて、風呂敷をかなり丁寧に畳んでいる印象を持ちました。


舞台は文字通り外界から離れた村社会ですが、人間社会における学校:子供社会もまた、
大人社会から外れ、一般常識の通じない村社会の側面を持っています。
そういった意味で2重に囲まれた村社会において、東京から来たという美しい女の子、
コンプレックスと憧れの入り交じる微妙な感情から事は始まり、誰が先導するでもなく
行為は発展していき、一度事が起これば次の瞬間にはそれは当然の事となってしまう。
実際、よくある事なのかもしれません。