イーモバイル

少し前にLOOX U/C30を買った。自分が買った時は58000円ぐらいだったけど、
http://kakaku.com/item/K0000011642/
今日時点では53800円になっている。
値段をみるといわゆるウルトラモバイルと呼ばれるPCのレベルだけれど、本来の価格はもうちょっと高い。
区分としてはVAIO type Pや、工人舎の首が回る方のPCの仲間だと思う。並のUMPCより少し格上の。


LOOX Uも首が回るタイプで、タッチペンで操作できる。縦画面が意外にいい使用感がある。
非常に軽量で、公称565g。type Uの次ぐらいに軽い。type Uは戦線から撤退してしまったから、
現状普通に手に入るPCとしては最軽量だろう。
タブレットPC指紋認証の組み合わせが思いの外重要で、これがあるためにキーボードを開かずに
ログオンや各認証ダイアログをパスできる。また、タブレットPCと無線IFの組み合わせも準じて重要で、
無線LANBluetoothが使えるため、通常は電源さえ繋いでおけば他のコードは不要になる。
家が狭いのであまり有効活用できないのだけれど、それでも私は追加でACアダプタを購入し
住居の2カ所で給電できるようにしている。Bluetoothのイヤホンで接続し、無線LAN越しに
毎朝録画しているニュース番組を再生している。時間の節約目的で1.5倍速再生している。
ながら再生の場合、2倍速はちょっと厳しい、自分の場合。
(大体家事系の作業をしながら聞いている。頭を使う作業と一緒にはできない)
ストレージはHDDなのだけれど、32GBクラスが安くなったらSSDに換装しようと思っている。
正直自分の生活には非常に役に立っていて、珍しく良い買い物だったと思っている。


LOOX U」は間にスペースがあったりして単語の収まりが悪いので、以下「るっきゅん」と呼称する。


さて、このエントリのタイトルは「イーモバイル」なわけだけれど。
るっきゅんを戸外でも活用するため、EMチャージに加入した。正直、モバイルPCを戸外で活用するスタイルを
定着させるのは今までの経験からすると難しいと感じているのだけれど、悪くない道具が揃ってきたので
もう一度やってみようという気持ちである。
…難しいというのはどう難しいのかというと、モバイルPCでも大概1kgはあるもので、これが重い。
重いとは言ってもたかが1kgなのだけれど、次点の問題として、モバイルPCを外出時に使うタイミングは
案外無いというものがある。この使用頻度に対して1kgという重さが割に合わないのである。
「タイミング」というのは、まず「座れる」場所を確保できて、かつPCを使用する「理由」があり、
理由によっては「ネット接続環境」が必要で、さらにそこでPCを利用する有効性が「PCの起動時間」
のデメリットを上回る(30分程度使うとか、携帯端末では賄いきれない重作業であるとか)、そういうタイミングである。
加えて言えば、使いすぎればバッテリが無くなってしまうから、バッテリが切れない程度の使用量に
抑える必要もある。
一言で言って、厳しい。


という問題が今まで有ったわけだけれど、それらのいくつかが今、改善されつつある。
「座れる」という条件は、るっきゅんはタブレットPCとして使用できるため、これはかなり無難にクリアできる。
「ネット接続環境」については、イーモバイルを採用してみよう。
「PCの起動時間」はまだ完全解決はできないけれど、休止状態からの復帰ならデメリットを軽減できる。
SSD化し、さらに今後その性能が上がるとすれば、かなりストレスのないレベルまで行けるかもしれない。
後は「理由」が重量565gに見合ったものになるか、バッテリの消費ペースの妥協点を見付けられるか、
といった辺りが最後の壁かもしれない。


さて、このエントリのタイトルは「イーモバイル」なわけだけれど。あれなんか既視感が。
EMチャージに加入した。これはプリペイドのプランで、主に1日定額を630円で、30日定額を4410円で
利用できる。というわけでなかなかお得なサービスである。と思ってしまうわけだけれど。
イーモバイルはそこら辺が一筋縄ではいかない。
イーモバイルの評判をネットで調べてみると、控えめに言ってまああまり宜しくない。
EMチャージは、仕組みを把握せず誤って使用すると、高額請求となるケースがある。また
そういうケースに対する安全策がイーモバイル側からあまり提供されていない、というかむしろ、
どちらかといえば誤った利用で使用料が発生することを期待したシステム設計となっている。
もう一つ、イーモバイルのサポートは他社に比べてドライなようで、それがネットでの悪評の
原因となっているようだ。


これについて私の思うところを以下に。
サポートは元々私はあまり利用しないので、手厚いかどうかは私の場合あまり問題にならない。
もし、サポートの費用を削る事で通信料金を低価格に抑える事ができているのであれば、
あるいはそれは私にとって賞賛するべき姿勢であるのかもしれない。
ただ、サポートの手抜きがユーザー軽視によるものであるのなら、今後その被害が私の方にも
回ってくる可能性がある、とすれば、長いお付き合いはできない、したくない、という所だろう。
もっと格安の優良サービスが現れたら、あっさりそちらに乗り換える事になる。むしろそのための
プリペイド」という距離を置いた利用形態という形でもある。


高額請求の問題については、まあ、自分で気をつけるしかない。
要は、会社には性格があるという事で、それぞれ一長一短あるということだろう。
独自特許や企業秘密の技術等の特殊なアドバンテージが無い限り、一社だけが有利なプランを提供
する事などできないのである。イーモバイルは比較的低料金の通信プランを用意しているとして、
そのまま他社並みに利益を上げるには、どこかで利益を回収しなければならない。
だまし討ちのような料金体系であっても、契約文書や取説には記載されているのだから、
自己責任の問題でもあるし、納得が行かなければ社会的に戦う事もできる。
態度の悪さは、逆に言えばそうでもしなければサービスを維持できないという事だろう。
もし同じサービス内容で客がもっと余分に金を払ってくれるのなら、イーモバイルももっと優しく
なる事もできるだろう。その辺りをどうするかが、運営の腕の見せ所、という事だと思う。


そこまで考えると、まあイーモバイルも嫌いじゃないな、と思えるようになってきた。
ただそれでも、ユーザーを大切にしない企業に対して好感を持つ事はできない。
(イーモバイルがそうだと言っている訳ではない)
落とし穴のようなプランはその企業のイメージを悪に直結させてしまうだろう。
企業はイメージの悪化を積極的に恐れるべきで、ユーザーの不満は営業上可能な範囲で
なるべく改めていかなければならない。もし強力で善良な競合サービスが現れた場合に、
根こそぎユーザーを奪われてしまう可能性があるのだ。Willcomが今割とどうにかなっているのは、
Willcomにある程度の義理を感じているユーザーがいるからではないかと思う。
そういうのは普段の行いが大切で、状況が悪化してから態度を変えてもダメなのである。


ネットでの悪評は真に的を射ていない場合もあるので、自分なりの判断で確認していかなければいけないと思う。


…長文乙