正義とは

さっき、正義について何か考え始めたような気がしたのだけれど、霧消してしまった。


子供の頃、世の中には正義と悪があるのだと思っていた。
少し若い頃、絶対正義は無いのだと思った。言ってしまえば各々が身勝手に決めるものだと思った。
それから少し経って、個々が抱く正義観の中にも、ほぼ全ての人間で共有できそうな領域があるのでは
ないかと思った。


子供と大人の命を秤に掛けるなら、一般的には子供の命が重い。
子供は大人よりも長く生きる筈だし、命を繋ぐことを望んだのが生物という存在だから。
子供を守ることは、正義として共有できる項目のひとつだろう。


人々で共有できない部分の正義は、まあ、自分は譲ってもいい。というかまあ、それは正義という程のものではない。
人が正義と呼べばそれは正義らしく振る舞うだろうが、否定されれば正義ではなくなる。
そんな曖昧な存在を殊更に「正義」だと擁護する義務はない。


うーん…こんな事を書きたかったんだっけ?


時代によって変わるのだとも思った。
黒人に人権無しと考える時代や地域はあった。現代ではそうではない。
しかし、ヒト以外の生物に別段生きる権利を与えてはいない。線を引く位置が変わっただけとも言える。
身内贔屓で人類の思想が進化したと言っておくけれど、本音を言えば、今の思想が絶対正義だと認めるわけではない。
生活が保障されているから、与え、奪わない余裕があるという部分はある。


正義とは何か、未だに、腑に落ちる所までは行っていない。しかし、こういう捉え所のない問題も
ある時すっと、自分の中での確信が定まることがある。
「結論の出ない問題だ」という結論を出してしまう人は世の中に多いと思うのだけれど、
それが案外、そうでもないのだと自分は何となく知っている。