首相退陣論

を目にする度、その無責任さに溜め息が出る思いがする。
どこが無責任かというと、代わりに誰を首相に据えるかのプランが全く無い事だ。
少なくともこの主張は、誰々を首相にすべきという主張とセットで行われるべきだと思う。


菅氏が、首相として最悪の人材というわけではないのである。
「いや最悪だ」と反論する人がいるかもしれないが、そんな事は無い。別の人材を起用する事で、
状況がさらに悪化する可能性は充分に有りうる。より有能な人間に代わらないのなら
代えてはならないし、はっきり言って僅かに有能になる程度なら代えない方が良いのだ。
そして、今の民主党から劇的に優れた人材が突然生まれる事はない。無駄に首だけ代えても
無意味だろうにと心底思う。


野党は退陣を迫る前に、首相に適格と言える人物を具体的に指名するべきだと思う。
できれば、それが不満であっても、与党内から人物を選びこの人なら妥協できるよと
宣言するのが望ましい。それはもう本当に泥を被った上で、政治の進展を優先した最大限の譲歩であって、
そこまですれば野党側を評価せざるを得ない。
まあそれができないとすれば、自党、ないしは党外から「この人にすべき」としても、
まあ一応筋は通る。ただ、現実的に就任不可能な人物を指名しても状況の改善にはならないので、
あまり褒められた対応ではない。
そして実際は、何の着地点も示さず、ただ辞めろと迫る。そうすれば、こちらは失点せず、
代えても状況が改善されない事は目に見えているから、さらに相手に失点を重ねさせる事ができるからだ。


具体的に人名を挙げると、必ずどこからか叩かれる。その人物が失策を犯した時に責任が回って来る。
だから皆が、具体案を示さず、とりあえず辞めろと言う。
ダメすぎる。あまりにノープランだ。