ひとりの他人に、好ましい点と気に障る点が共存するのだということを、
今更ながらに実感したりする。
私の先輩にあたる人で、統率力・交渉力があり、確かなスキルを持っており、
言うべき時に主張でき、信頼もそこそこ篤い、そんな人がいる。
私の個人的な評価として、一般に有能と呼ぶことができ、尊敬もしている人である。
ただ、概ね人格に問題はないのだけれど、その一方で、彼の価値観にそぐわないある特定の人に対し、
見下したような発言をする事がある。
価値観は人それぞれだし、誰かを無能と思う事もあるだろう、けれど私が面白くないと思うのは、
中傷の対象となっている人にその欠点を指摘するでもなく、「身内」の人間のみに対して、
その人の欠点を喧伝している事で、彼のそういう態度を見掛けると、正直私は失望させられる。
しかし、それはそれ、人とはそういうものなんだろうと思う。
私は彼を尊敬し好ましく思うと同時に、嫌ってもいる。それは共存していていい。
彼の好ましくない点が私の目の前に突きつけられた時は、正直に非難しようと思う。
逆に、私が概ね嫌いな人間であっても、どこかに良い所がある。
その人間の特性が良い形で現れた時には、素直に賞賛したいと思う。