少年犯罪

子供は、生まれてくる環境を選べない。
親の性格も、家の裕福さも、学校も、遺伝的な能力も選べない。
交友関係も移動範囲も非常に限定される。


重大な罪を犯してしまうような反社会的な性格に育ってしまうのを、
その本人の努力で避ける事ができるだろうか、と考えた時、
私は、それは無理なんじゃないかと思うのですよ。正直な話。


そういう運命的な話をしてしまうと、大人の犯罪者も条件は同じなんじゃないのと、
言われる気がする。というか突き詰めればその通りだと思う。
でも、20も過ぎる頃には個性も固まってきて、色々世界も知り、ある程度こなれた、
「その人ならでは判断」に基づいて行動するようになるのではないかと思う。
犯罪者にしても、明確に法を侵す事を意識して行動していると思う。


子供はまだ、人格がそこまで固まってない状態で、しばしば偏った価値観の集団(あるいは一人)の中で
育ってしまう事がある。そのような「間違った教育」を受けた子供が社会に相容れない行動を
とってしまったからと言って、その子に全責任を負わせてしまって良いのだろうか?大人の良心として。
裁かれるべき人間は、本当に彼本人なんだろうか?
また、再教育がまだ充分可能な年齢だということもあるわけです。


だから、あくまでも理屈の上ではだけど、
どんな卑劣で残虐な犯罪であっても、犯人が未成年であるなら、大人は彼の人生を
保護する事を放棄してはいけないんじゃないだろうか、と思うのです。