劣等感

劣等感は、その人の成長可能性の伸びしろでもあるのかもしれない、と思った。
劣等感を失った人間は、その後あまり爆発的な成長はしないのではないかと。


上を見ている、ということなんだろうなと。上位の者が存在することを知っていて、自分と比較することを考えている。
劣っていると感じるのは苦しいことかもしれないし、その差が大きすぎて全く手が届かない現実もあるかもしれない。


少し考え方が変わると、劣っていることを諦められたり、当然のこととして受け容れられるようになる。
他の道を考えるようになるかもしれないし、苦しみからは解放される。むしろ幸せになるといえる。
ある種の悟りだけども、かつて目指していた世界への道が完全に閉じられる瞬間、でもある。


苦しみからの脱却は、ただ単に感覚が鈍くなり、神経が麻痺した結果に生み出されるものかもしれない、とすれば、
劣等感もまた精神の若い人間の強い感性によって生み出されるものの一つであるのかもしれない。


劣等感を持ち続けることも、それは人間としては良いものなのではないか。
安易に捨て去るのを良しとするのは誤りかもしれない、と思った。