市場原理主義

最近、試しに買ってみた本が興味深い内容だった率が高く、それぞれがリンクして
色々考え込むネタになっていたりします。


すべての経済はバブルに通じる (光文社新書 363)

すべての経済はバブルに通じる (光文社新書 363)


この本を読み始めたのは、たまたまリーマン何とか社が大変になる前だったのですが、
サブプライムローン問題の本質について、解り易く解説が為されていると思います。
特に第1章「証券化の本質」が、同問題に至る原因の解説として興味深いです。


流れとしては、

  • サブプライムローンというリスクの高い債権がある
  • これからリスクの部分を切り取って証券化することで、(なぜか)リスクの低い証券を作り出すことができる
  • 証券化によって流動性等の付加価値が生まれることにより、さらに高い価値がつく
  • ある程度レベルの高い機関投資家は、その本質がリスキーであることに気が付いている
  • それでも、その証券が市場で高く評価されればその流れに追随せざるを得ない事情がある
  • チキンレースに参加しなければ高い利益を上げることができない
  • 高い利益を上げられる状況で高い利益を上げなければ、相対的にダメな投資家として評価される
  • 評価が下がれば、顧客を失う
  • だから、地道な運用に留まっているわけにいかない
  • いつか崩壊するバブルと知りながら、最後まで降りない


投資は単に利益を生めば良いのではなく、競争相手よりも高い利率を確保しなければ
生き残れないという極端な競争論理が、混乱を呼んでいるという事のようです。


なるほどね、と思ったり、なんか色々考えさせられるわけです。