踏み倒し

不景気だからといって、庶民が直接その被害を受ける事はそれほど無いのだけれど、
その中のひとつの、貸した金を踏み倒される出来事に遭遇しやすくなるというリスクは、結構盲点だよなと思う。
何の事を言っているのかというと、前払いの授業料とか、積み立てた留学費とか、ポイントカードの残高なんかが、
その企業の倒産によって返還されない事態が起こる様になる、ということで。
株なんかは、最悪全てが無価値になる可能性も含みで取得するものだと思うけれど、ひとりの客として
預けておいたお金・価値がある瞬間に消滅してしまうなんて事は、普通は想定しないよなあと。


「倒産しない」のが常識だったのが「倒産するかもしれない」という認識になってしまうと、またそこから
色々影響が発生するよね。景気が回復するまで(倒産リスクが回避されるまで)大きな買い物は避けようかという
気分になるし、そうすると企業の方は客を確保するために分割払いを導入するようになるかもしれないし、
でも分割すると余計に金が掛かるので割高になるかもしれないし、あるいは倒産しても未消化の授業料の
返還を保障するために企業が保険に入るようにしたり、あるいは客側が利用できるような保険が用意されたり、
まあなんか、いろいろ。


まあでも、授業料踏み倒されるぐらい、どうって事無いよね実際。すごくガッカリするぐらい。
それで生死に関わるわけじゃなし、人生に影響するとしたって痴漢冤罪で捕まるほどの不幸じゃないし。
他人のせいにできるだけ、精神的には全然楽勝だよね。家族がいるのに仕事無くなるとか、倒産の全責任を負う
社長の心境なんかをおもんぱかると、少し金が減るのぐらい気にする事じゃないなと思ったりします。