本屋の話

お気に入りの本屋があったのだが、今年の春に移転してしまった。
テナントとして入っていた駅ビルのフロアが閉鎖となったため、移動を余儀なくされた形だ。
移転先は駅から少し離れたデパートの高階であり、フロア面積も小さくなった。
はっきり言って立地条件は悪くなり、滅多に足を運ばなくなってしまった。
たまに私がわざわざ足を運ぶのも、その店に愛着がある故であり、そうでなければ
もう二度とその店に足を踏み入れる機会は無かったかもしれない。


その店がなくなり、一番困っているのは、漫画購入の拠点を失ってしまった事にある。
昔のその店は、漫画のコーナーがそこそこ広く、かといって広すぎもしないというサイズで、
作品も売れ線ばかりが場所を占有せず、少しマイナーでも新刊はきちんと平積みの棚に置かれ、
中小出版社の棚もアクセスしやすい位置に配置され、多様なジャンルの漫画がそれぞれ
目に付きやすいようにフロアが構成されていたのだ。


そこより広くラインナップが充実している店舗は、まあ少し足を伸ばせばいくらでも
あるのだけれど、同じ作品が何列も平積みされていたり(平積みエリアが不要に広くなる、または
マイナーな作品が省かれる)、中小出版やマイナーな作品が店舗の奥に追いやられていたり、
ていうか無かったり、広すぎて巡回が面倒だったり、色々小さなストレスを感じる事が多いのだ。


で、その本屋。移転先の立地条件もアレだけれど、コミックコーナーのフロアの構成も
残念な事になってしまい、コーナー自体が結構縮小されてしまっていて、以前のようには
使えなくなってしまった。


まあずっと薄々感じてはいたのだけれど、最近未知の作品を購入する事が激減してしまっている。
やっぱりその店が無くなってしまったせいだ。その店は私にとって非常に重要な拠点だったのだ。
他に筋のいい店も無くもないのだけれど、未だ馴染まない。その店が私にとってのベストだったらしい。


というわけで、今後の漫画の探し方に軽く悩んでいたりする。どうしよう。